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XX文学の館

ご利用上の注意事項


開館の動機と目的

江戸艶本に於いて、故林美一氏は「百年河清を待つとも不可能」と言われている完璧な艶本目録作成を生涯の目標と定めていたようですが、遂に完成に至りませんでした。近代、現代の地下本に就いて同じこと(完全目録の作成)が出来ないであろうか(今にして思えば、何ちゅう無茶を…)、と考えたのがいつ頃であったかは既に忘却の彼方です。保存する目的で蒐集されることが少ないぺらぺらの本、ほっておいたら確実に散逸してしまう、誰かがやらねば、と大見得を切って賛同を得られたこともありましたが……。それから幾星霜。

時代背景もあり、林氏の場合は孤軍奮闘の感が強いですが、現代ならばもしかしたら、という甘い考え(大甘)が頭を過ぎったのはそんなに古いことではありません。江戸艶本に比較して、時代が新しいということが、原本の存在する率を高めているはずである、という単純な思い付きも後押しした恰好になりました。しかし、目標を明確にしたことで、現実の壁の高さを思い知らされました。出版技術が刊行点数を飛躍的に増やしていることを考慮すれば、目録制作の原点である対象本蒐集の難しさの度合いに差はありません。便所の落書きと同等な挿絵の、本とも言えないガリ版刷りの小冊子が、どれだけ発行され、現にどれ程残っているかなどは、誰にも分かりません。地下出版の宿命とはいえ、蒐集目標が立てられないというのは正直辛い所です。この点は気長にやるしかない、と半分以上あきらめ気分です。

以前程本が集まらなくなった、という点も見逃せません。資金的な余裕が無くなった、というのが一番の原因かも知れませんが、実際本が集まらなくなりました。 ある程度の数を蒐集したことにより、まとめ買いがしづらくなったという現実もあります。初期の頃は、数十冊の内一、二点ダブっていても次を期待して総て引き取っていましたが、三割、四割がダブりますと流石に一括と言うわけには行かず、段々ものを回して貰えなくなると言う悪循環に陥ったりもしています。 先着順の店では、何回注文しても取れなく(サラリーマンなので目録を手にする時間は何時も二十時以降)、不敏に思ったのか、店主が先にリストを送ってくれたこともありますが、そんな恩恵も今や受けられず、相変わらず空振りばかりの日々が続きます。 やんごとなき理由で、数年間、ほとんど蒐集に手つかずの状態にあったのがハンデになってしまったのかも知れません。

そんな状態を打開し、初志を貫く意志を自らに再認識させるためもあって、当館の開館に至りました。蔵書自慢が無いとは言えませんが(ちょっぴり本音)、本来の目的は、これが呼び水となって、埋もれている地下本が地上に現れて来ることを期待するものです。原本が当館にある必要はなく、どなたかに、それらに関する新たな情報を公開して頂ければ十分な訳です(かなり図々しいとも言えますが…)。どんなに頑張っても、初期の目標を個人で果たすことは不可能(弱気ですが現実)ですので、同好の士が増えることが重要です。館主が既存資料のもの足りなさに奮起して調査研究(と言うほどのものでもありませんが)にのめり込んだのと同様に、当館の杜撰さ(実際、読み返すと赤面ものがかなりあり、気が付く度に修正はしているつもりですが…)に憤慨して、更に本格的な研究者が現れることを期待しつつ……。(平成十三年十二月二十三日全面改訂)

地下本の定義

当館では地下本を、『公刊する事を前提としていない出版物の内、性を主題として扱っているもの』と定義しています。定義のより具体的な内容は、資料室の「彌縫録」『序章』に記述して有りますので、ご参照下さい。裏本も地下本の一種ですが、量的にも質的にも当館で扱うには手に余りますので、対象外としています。

内容の正誤

彌縫録(目録)の情報は、現物を確認してから公開する事を前提にしていますので、造本関連の知識不足から来る誤記を除けば、間違いはあまり無いと思っています。但し、現物が無く、書誌情報の記載されている資料を参考にしているものに就いては、その正確性を保証するものではありません。その他の小論などに就いては、正しいと信じて記述していますが、情報量の不足等による勇み足、誤解はあり得ますから、服用時(?)にはご留意下さい。尚、内容の間違いやリンク切れ、リンク先が正しくない、などを発見された場合、にご連絡頂けると助かります。

リンクに就いて

リンクする価値があると判断されてリンクされるのは自由に行って頂いて結構です。その旨のを頂けると嬉しいので、頑なに拒否は致しませんし、強要するものでもありません。メールを頂いた場合は、引越などの際に、こちらからもご連絡申し上げます。バナーをご希望の場合は、下の「閑話究題」か「XX文学の館」をご利用下さい。(平成十三年十二月二十三日改訂)

閑話究題のバナーXX文学の館のバナー

尚、予告無くサイトの構成を変更する場合がありますので、トップページ以外へリンクされた方はご注意下さい。

転載の可否

彌縫録を除く文書に就いては、出典を明記して頂ければ良識の範囲内で転載して頂いて結構です(全文転載は論外ですが、引用とされる範囲を逸脱しても構いません)。彌縫録及び画像に関しては、転載をご希望の場合は必ずでご連絡下さい。無断転載はお断り致します。

感想希望

かなり特殊な分野ではありますが、一年以上運営して見て、反応の傾向も多少は判ったつもりでいます。館主の全く知らない所で評価して頂いていたこともありました。しかし、生の意見は殆どありません(涙)。ご感想なり、ご希望なり、或いはお叱りなりのを頂けると励みになります。遅筆のため、直ぐには返事が出来ないことも再々ですが、首を長くしてお待ち致しております。(平成十三年十二月二十三日改訂)


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