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閑話究題 XX文学の館 秘本縁起 蚤の自叙伝

公刊された
「蚤の自叙伝」


「蚤の自叙伝」の公刊本はあまり見掛けたことが無く、ここに展示してあるものの他には「私は蚤である」(美学館、1982年10月)他数点(何れも未見)を知るのみです。


蚤の浮かれ噺(東京書院版)

戦後の昭和二十六年、東京書院から刊行された「蚤の浮かれ噺」は、この後に続く艶本ブームの先駆けとなったものです。公刊本の常として、ホットパートの書換はある程度致し方のないことですが、附記に都合上、ベラの巻では、その一章を割愛した。その描写が、多少露骨にすぎるきらいがあったがためである。」と書かれています。 しかし、省かれた章は、前編の第六章であり、僅か七頁ちょっとの、ベラーとは全く関係のない、言わばおまけの部分です。他の部分に較べて、特に露骨と言う訳でもありません。その代わり、ストーリーとは関係のないエピソードですから、ホットパートを除くと、何も残らなくなってしまうので省いた、と言った所が真相ではないでしょうか。本文全体は省略だらけで全く面白くありません。それでも地域的な発禁、と言われていますので、地方で摘発を受けたのかも知れません。

表紙
本文
判型B6判頁数??頁
著者アンドレ・マルション
訳者原一平
発行東京書院
刊年昭和二十六年四月
内容 ベラの話
  • 一の章   たそがれの逢曳き
  • 二の章   聖母様のお告げ
  • 三の章   覗かれた秘めごと
  • 四の章の一 好色ないたずら娘
  • 四の章の二 僧院長の入れ智恵
  • 五の章   老紳士のかた想い
ヂュリアの話
  • 一の章 色事ごとのたくらみ
  • 二の章 牧場のたわむれ
  • 三の章 天使のお乱行
  • 四の章 うつとりした洗礼
  • 五の章 すはだかの舞踏会
  • 六の章 素晴らしき饗宴

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